君色~あなたと過ごした日々~
「これ、俊介から。」
「え……」
雨の中渡されたぬいぐるみは少し濡れていた。
立ち尽くしたままの私はもうどうすることもできなかった…
智美はショックを受けてるだろうし、美香も気まずいかんじで誰一人として口を開かなかった。
無言のまま私たちは帰り道を自転車で走った。
誰もこのぬいぐるみのことに触れたくないみたいだ。
「じゃあ、ここ曲がるから…また明日ね…」
気まずそうに小声で美香が私に行った。
美香と智美と別れて私は1人で帰った。