黒猫-KURONEKO-《短編》
スタンバイとプラン
本部長の前から去ったアタシは、
裏口に向かった。
カツカツとヒールの音を響かせながら、
裏口を守る警備員に挨拶をし、
門をくぐるとそのまま夜の闇に紛れた。
外を囲む警備の目から逃れ、
路地を回り込んだアタシは、
密かに隣のビルの裏口に忍び込んだのだ。
8階の誰もない人材派遣会社に進入すると、
ブラインド越しに、
三島宝石のビルの警備の為のライトが差し込むのを利用し、
オフィスの奥の更衣室へと入っていった。
そして入念に準備されたプラン通りに、
並ぶロッカーのひとつの鍵を空けると、
中から鞄を取り出した。
スーツに胸元を湿らせたままのブラウスとブラジャー、
そしてストッキングやパンティを手早く脱ぎすてた。
それらを無造作に袋に押し込み、
最後にピンで留めていたウィッグを取ると、
下に隠していた黒いセミロングの髪を開放した。
そして、
生まれたままのアタシを冷え冷えとする暗闇に晒した。
裏口に向かった。
カツカツとヒールの音を響かせながら、
裏口を守る警備員に挨拶をし、
門をくぐるとそのまま夜の闇に紛れた。
外を囲む警備の目から逃れ、
路地を回り込んだアタシは、
密かに隣のビルの裏口に忍び込んだのだ。
8階の誰もない人材派遣会社に進入すると、
ブラインド越しに、
三島宝石のビルの警備の為のライトが差し込むのを利用し、
オフィスの奥の更衣室へと入っていった。
そして入念に準備されたプラン通りに、
並ぶロッカーのひとつの鍵を空けると、
中から鞄を取り出した。
スーツに胸元を湿らせたままのブラウスとブラジャー、
そしてストッキングやパンティを手早く脱ぎすてた。
それらを無造作に袋に押し込み、
最後にピンで留めていたウィッグを取ると、
下に隠していた黒いセミロングの髪を開放した。
そして、
生まれたままのアタシを冷え冷えとする暗闇に晒した。