黒猫-KURONEKO-《短編》
ドアが閉まった途端に、
警部に指示されて残った警備員の一人がケースの前に歩み寄り、
同時に他の5人の警備員がばたばたと倒れた。
全員肩に麻酔薬をしみこませた針が打ち込まれていた。
その警備員はケースの前に立ち、
カードを差し込む。
そして、
もう一方の手の中にあったレコーダーから、
先ほどの本部長の暗証番号を読み上げる声を再生した。
途端に、
建物中に響き渡った警報が止まり、
部屋を赤く染めていたライトも白い静かな光に変わる。
ケースは音もなく被せてあったアクリルカバーを持ち上げ、
赤と青に輝く二つの宝飾品を露わにした。
「これがロミオとジュリエットね。
七夕の夜の感動の再会中に悪いけど、
少し移動してもらうわよ。
これからはずっと二人で入れるからね」
警備員はそうつぶやくと、
手袋をはめた白い手を伸ばして宝石をそっと掴むと、
用意していた黒い袋に入れた。
警部に指示されて残った警備員の一人がケースの前に歩み寄り、
同時に他の5人の警備員がばたばたと倒れた。
全員肩に麻酔薬をしみこませた針が打ち込まれていた。
その警備員はケースの前に立ち、
カードを差し込む。
そして、
もう一方の手の中にあったレコーダーから、
先ほどの本部長の暗証番号を読み上げる声を再生した。
途端に、
建物中に響き渡った警報が止まり、
部屋を赤く染めていたライトも白い静かな光に変わる。
ケースは音もなく被せてあったアクリルカバーを持ち上げ、
赤と青に輝く二つの宝飾品を露わにした。
「これがロミオとジュリエットね。
七夕の夜の感動の再会中に悪いけど、
少し移動してもらうわよ。
これからはずっと二人で入れるからね」
警備員はそうつぶやくと、
手袋をはめた白い手を伸ばして宝石をそっと掴むと、
用意していた黒い袋に入れた。