黒猫-KURONEKO-《短編》
「何事だ!
何故警報が止まった!」
あわてて引き返し展示室に飛び込んで来た警部と本部長が目にしたのは、
気を失った警備員と、
宝石の代わりにショーケースに納められた黒猫のサインの入った黒いカードだった。
本部長はショーケースの前でくずれ落ち、
警部は夜風が吹き込む、
開かれた窓に駆け寄った。
通りをはさんだ向こうのビルの屋上で、
月の光の中で黒い影が後ろ向きに立っていた。
そして、
警部に挨拶をするように軽く手を上げると、
反対側へと姿を消した。
そのシルエットを呆然と見送った警部は、
裏をかかれ盗まれたことと別のことで、
呆然としていた。
「今度の黒猫は女なのか......」
何故警報が止まった!」
あわてて引き返し展示室に飛び込んで来た警部と本部長が目にしたのは、
気を失った警備員と、
宝石の代わりにショーケースに納められた黒猫のサインの入った黒いカードだった。
本部長はショーケースの前でくずれ落ち、
警部は夜風が吹き込む、
開かれた窓に駆け寄った。
通りをはさんだ向こうのビルの屋上で、
月の光の中で黒い影が後ろ向きに立っていた。
そして、
警部に挨拶をするように軽く手を上げると、
反対側へと姿を消した。
そのシルエットを呆然と見送った警部は、
裏をかかれ盗まれたことと別のことで、
呆然としていた。
「今度の黒猫は女なのか......」