黒猫-KURONEKO-《短編》
今度はやわらかく何度もついばむように唇を合わせ、
そしてアタシの唇が開き桜色の舌がのぞくと、
それを合図に二人は激しく舌を絡ませた。

そしてJの腕はアタシの背中を這い、
肩を腰をなでさすった。



長い間キスが続いた後、
アタシを抱き上げたJはソファに運んだ。


抱かれたまま膝の上に座らされて、
彼の胸に頭を預け、
腕は肩にまわした。


Jはアタシのおでこや頬、
あごや鼻の頭に軽くキスをしていった。


そして耳元にくると、アタシの身体はぴくりと震えた。
耳たぶを口に含み舌でつつくと腕の中で胸が揺れる。
耳の中に熱い息を吹き込まれると、アタシは甘い声をあげて背を逸らせた。



Jは唇を寄せて
「かわいいよ」
と息を吐きながらささやいた。

「んぁっ」
舌は耳から白い首筋にうじなを通り肩を這う。

時折、
あごに手をやってアタシを向かせると、
存分に唇を味わった。


そして、
首すじをつっと舌が縦断すると、
アタシは大きく背をそらせた。

その勢いで、
双球は跳ね上がり、
Jの口の側ををかすめた。


まるで、
山女が渓流で餌を捕らえるように、
すかさず口、いや顔でうけとめた。
Jの腕はアタシを支えたまま、ずっとやさしく背をなでてくれている。


「ぁうんっ」
痺れるような初めての感覚が胸から脳へと走り、
甘い声を紡ぐ。


乳をなめあげるように大きく舌を這わされ、
時に唇ではさまれ、
強く吸われれば赤い跡を残す。


アタシは生まれて初めての嬌声を存分にあげた。
< 28 / 36 >

この作品をシェア

pagetop