黒猫-KURONEKO-《短編》
-------黒猫。

その歴史は室町時代に遡る。

すらりと柔らかな肢体を黒装束に包み、
日本国内を飛び回り、
政府や金満家達から宝を盗んでいた怪盗である。


黒猫の手口は、
黒い予告状と魔術のように巧妙な手口。


今まで一度も正体を知られることもなく、
掴ったこともない。

ただ何十年かに1度、
精力的に活動し世間を騒がせるが、
活動期間は7年に限られ、
その他は世に出ることはない。

盗賊達の世界でも、
古参盗賊の1つである黒猫のことは有名だが、
詳しく知るものはごくわずかしかいない。



そして現代、
蝙蝠伯爵だの69面相だの、
何人もの怪盗達が毎日新聞をにぎわせる盗賊ラッシュ。

25年ぶりに舞い込んだ黒猫の予告状に、
これ以上盗賊をのさばらせるものかと警察は熱く燃え上がった。

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