黒猫-KURONEKO-《短編》
秘書とセクハラ
「皆様お疲れ様です。
社長より申し付けられて参りました」
三島宝石本社の秘書課にもぐりこんだアタシは、
イベント会場の下見に派遣された。
もちろん、下見といっても、秘書課の仕事の「気配り」である差し入れが目的。
今日は、落ち着いた白いスーツ姿で、ブラウンの長い髪をアップにまとめあげていた。
ウィッグとメイクで、かなり大人っぽく変身できた。
我ながら、いい出来!
変身の仕上げは、秘書らしく常に極上の微笑みをたたえること。
警備の人達に労をねぎらい、
社長の指示による豪華な夜食の差し入れを用意した。
もちろん入念な警備体制だから、
本社にアタシの確認の連絡を忘れない。
でも、アタシだって、そんなことでボロはださないもの。
本社に確認がとれ、安心した警備やスタッフの人達は、
争うように料理をむさぼり食べた。
おまけに、
アタシにかいがいしくお茶を入れてもらったり、
お替りを皿に盛ってもらったりと給仕をしてもらい、
ぴりぴりと張り詰めた空気は一掃され、
皆ひと時の休息を楽しんだ。
だけど、
男たちの間をくるくると動き回るアタシから、
注意を離さない男がいた。
社長より申し付けられて参りました」
三島宝石本社の秘書課にもぐりこんだアタシは、
イベント会場の下見に派遣された。
もちろん、下見といっても、秘書課の仕事の「気配り」である差し入れが目的。
今日は、落ち着いた白いスーツ姿で、ブラウンの長い髪をアップにまとめあげていた。
ウィッグとメイクで、かなり大人っぽく変身できた。
我ながら、いい出来!
変身の仕上げは、秘書らしく常に極上の微笑みをたたえること。
警備の人達に労をねぎらい、
社長の指示による豪華な夜食の差し入れを用意した。
もちろん入念な警備体制だから、
本社にアタシの確認の連絡を忘れない。
でも、アタシだって、そんなことでボロはださないもの。
本社に確認がとれ、安心した警備やスタッフの人達は、
争うように料理をむさぼり食べた。
おまけに、
アタシにかいがいしくお茶を入れてもらったり、
お替りを皿に盛ってもらったりと給仕をしてもらい、
ぴりぴりと張り詰めた空気は一掃され、
皆ひと時の休息を楽しんだ。
だけど、
男たちの間をくるくると動き回るアタシから、
注意を離さない男がいた。