キスしたのは最低野郎でした。
「おいそんなこと言ってると──」
「その下りはいりません無理です勘弁して下さい」
冷静沈着にお断りした。
いやもうあれは無理。めっちゃ精神力使う。
「は? もういいわ取り敢えず抱かせろ」
「いやもう死んで下さいしつこい男は嫌われますよ」
「いいじゃん」
何処が。
こういう事を普通に口走るから女で遊んでないのか疑わしくなる。私を信用させたいなら冗談でもやめた方がいいと思う。
「あのさそういうこと言うなら私無理だから。まずは形から入って。琉輝君性格変えないと私とは付き合えないかもよ」
「うわマジかよ難易度高過ぎ」
「ごめんなさい相手なら幾らでもいるんでそのくらいはしないと他の男のところにいきます」
「よし頑張るか」
気が変わるの早いな。効果抜群だね。でも事実だしなぁ。一回三年のイケメン先輩に告られたことあるし。あいつのせいで私三年の女子先輩に絡まれたんだけどやっぱりイケメン嫌い。
同級生の女子には尊敬の目で見られているが他の学年の女子からはそう見られていない。一年のくせに調子乗ってとか女たらしならぬ男たらしだとか。全部振ってるにこの言われようである。
とにかく他学年の女子からは評判が悪い。男子は先輩同級生問わず私が欲しいらしいが。あげませんよ。
「帰っていいですか」
「無理駄目」
なんでこんなに頑固なの。面倒臭い。
「何したら帰らせてくれる?」
ここはもう琉輝君がやって欲しいとか思ってることをやってさっさと帰った方が早い。条件にもよるが。
「んー、そうだな、お前からキスとか?」
「ちょっと待って二回目のキスも琉輝君ととか絶望」
「お前最低だぞその言い回し」
よりによって最悪な条件吐かれました無理なんだけど。
でもこれを乗り越えないと真面目に帰れない気がしてきた。私はしょうがなく目の前で私を待ってる琉輝君に視線を向ける。
「お? やる気になったか?」
にこにこしすぎで怖いよ琉輝君。
「どうせこれやらないと帰してくれないんでしょ?」
「そうに決まってるだろ泊まらせるぞ」
琉輝君の家でお泊まり会とか何されるか目に見えてるから無理です。
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