キスしたのは最低野郎でした。
「もう早く終わらせるよ!」
「おうかかってこいよ」
改めて考えると恥ずかしい。別に好きでもない奴にキスなど完璧美少女がすることだろうか。
きゅっと目を瞑って口を近づける。触れる寸前で琉輝君に顔を掴まれて強引にキスされた。
「んっ!」
時間は長くなかったがくっつけ過ぎで頭がクラクラしている。
「ふぁ…」
「っと、危ないぞ。お前超敏感体質だな最高」
倒れそうになった私を支える琉輝君は頬がほんのり赤かった。私は立ち直す。ドアノブに手を掛けて彼に別れを告げる。笑顔で帰してくれた。
家に帰ったら滅茶苦茶心配されました。まさか男の子の家に行ってたなんて口が裂けても言えない私は適当な理由をつけてその場を乗り切った。
まあいつもちゃんとした時間に帰ってるしこのくらいは許してくれるよねお母さん優しい。
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