先生、ボクを飼ってよ
Prolog


桜のトンネルを抜け、学校に到着した。



クラス表が貼られた掲示板の前は、二、三年生で賑わってる。



こんなに人がいて、ボクの名前が見えるのかな。


ボク、少し背が低いから……



「瑞貴ー! 今年も同じクラスだぜ!」



どうにかして自分の名前を確認しようとすると、友人の修くんが肩を組んできた。



「ホント!? 今年もよろしくね」


「当たり前だろー」



修くんは手を離し、昇降口に向かう。


あ、クラス表見てない……


まあ、修くんについて行けばいっか。



「つーか、担任が最悪なんだよ」



修くんは思いっきり顔をしかめた。



んー。


修くんが嫌ってる先生かあ……


たくさんいすぎてわかんないや。



「誰なの?」


「森野繭! 瑞貴もイヤだろ?」


「ボクはイヤっていうか、ニガテかな」



森野先生は現代文担当の美人な先生。


だけど、先生は全く笑わない。



ボク、笑わない人ってニガテなんだよね……



「今年は終わったも同然だよなー。楽しくないに決まってる!!」
< 1 / 116 >

この作品をシェア

pagetop