先生、ボクを飼ってよ
Prolog
桜のトンネルを抜け、学校に到着した。
クラス表が貼られた掲示板の前は、二、三年生で賑わってる。
こんなに人がいて、ボクの名前が見えるのかな。
ボク、少し背が低いから……
「瑞貴ー! 今年も同じクラスだぜ!」
どうにかして自分の名前を確認しようとすると、友人の修くんが肩を組んできた。
「ホント!? 今年もよろしくね」
「当たり前だろー」
修くんは手を離し、昇降口に向かう。
あ、クラス表見てない……
まあ、修くんについて行けばいっか。
「つーか、担任が最悪なんだよ」
修くんは思いっきり顔をしかめた。
んー。
修くんが嫌ってる先生かあ……
たくさんいすぎてわかんないや。
「誰なの?」
「森野繭! 瑞貴もイヤだろ?」
「ボクはイヤっていうか、ニガテかな」
森野先生は現代文担当の美人な先生。
だけど、先生は全く笑わない。
ボク、笑わない人ってニガテなんだよね……
「今年は終わったも同然だよなー。楽しくないに決まってる!!」
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