先生、ボクを飼ってよ


あたし、普段からそういうこと口にしてないし、余計わかるはずなんだけどな。


この鈍感男が……!



でも……


わかってたけど、やっぱりそういうことなんだよ。



瑞貴がそう答えるってことは、あたしは恋愛対象に見れないってことなんだよ。



これってさ、諦めろってことじゃん。



……直に言われるよりキツい。



「急にどうしたの?」


「別にー。ただ、やっぱり瑞貴はバカだなあと思ってー」



あたしはカバンを持ち、席を立つ。



「ええ?」



後ろから瑞貴の情けない声が聞こえたけど、無視して教室を出た。


だってさ、涙流れてんだよ。


そんなの瑞貴に見せたら、心配されるじゃん。



そういう、幼馴染の特権はもういらないんだ。



あたし、もう瑞貴の幼馴染やめる。


ただの友人になる。



そう心に決め、一日を終えた。


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