先生、ボクを飼ってよ


そして、私はここ数ヶ月にあったこと、全部を話した。



「なるほど……それで、繭はその椎名君のこと、好き?」


「私は、優心のことが好きなんだよ? どうしてそんなこと……」



すると、優心は真っ直ぐに私を見つめてきた。


逸らしたいのに、つい見つめ返してしまう。



「俺のことや、教師という立場を忘れろ。もう一回聞くよ。彼のこと、好き?」



全部、忘れて……



私は……


私は、椎名君が……


椎名君のことが……



「……好き、かわからない。でも、椎名君と一緒にいられないのは嫌だ」



これが、優心が求める答えなのかわからない。


でも、本心だった。



「それを好きだって言うんだよ」



この気持ちが、好き……



「繭は、何年も付き合っている俺のことを好きだと決めている」
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