先生、ボクを飼ってよ
先生の考えが変わったってこと……?
「先生は、生徒と恋愛しないって……ボクが迷惑だって……」
「あなたに諦めてもらわないと……あなたが傷付くと思った」
拒絶されるほうが傷付いたんだけどな。
「もし私と恋愛をしたら、椎名君に我慢させることになる。もし上手くいったとしても、いずれ限界がくる。バレたら、私はここで働けない。それはいいの。問題は、ここに残される椎名君」
そっか、先生は今じゃなくて先を見てたんだ。
ボク、子供だな……
「そういうことを考えて、私は自分の気持ちに気付かないふりをした。でも、そういうのなしに考えてって言われて、わかった」
演奏をやめた先生はボクの目の前に来て、真っ直ぐ目を見つめてきた。
「椎名瑞貴君。あなたが好きです」
嬉しすぎて、頭回らない。
好きな人が自分を好きだって言ってくれるのが、こんなに嬉しいなんて……
「ボクも……」
「でもね」