先生、ボクを飼ってよ
Epilog
あれから約一年半のときが流れ、今日は卒業式。
「瑞貴ちゃん! 写真撮ろ!」
早く先生のところに行きたいのに、クラスメートに足を止められる。
でも、みんなのことを無視して、行くことはできない。
「見事に足止めくらってるね、瑞貴」
「風香ちゃん! 修くんも」
みんなと写真を撮っていたら、二人が呆れた顔してドアのところにいた。
三年では三人バラバラになったから。
「行かなくていいの? 音楽室」
二人は全部知ってる。
だから、そう言ってくれたわけだけど……
行けるなら、今すぐ行きたい。
行きたいけど……
「全く。お前は優しすぎるんだよ」
「そこが瑞貴のいいところ。修は見習うべきだね」
……二人はボクを心配して来てくれたんだよね?
どうして喧嘩が始まってるのかな?
「なあ、俺たちなにしに来たんだっけ」
すると、修くんが折れて言った。