先生、ボクを飼ってよ
Epilog



あれから約一年半のときが流れ、今日は卒業式。



「瑞貴ちゃん! 写真撮ろ!」



早く先生のところに行きたいのに、クラスメートに足を止められる。


でも、みんなのことを無視して、行くことはできない。



「見事に足止めくらってるね、瑞貴」


「風香ちゃん! 修くんも」



みんなと写真を撮っていたら、二人が呆れた顔してドアのところにいた。


三年では三人バラバラになったから。



「行かなくていいの? 音楽室」



二人は全部知ってる。


だから、そう言ってくれたわけだけど……



行けるなら、今すぐ行きたい。



行きたいけど……



「全く。お前は優しすぎるんだよ」


「そこが瑞貴のいいところ。修は見習うべきだね」



……二人はボクを心配して来てくれたんだよね?



どうして喧嘩が始まってるのかな?



「なあ、俺たちなにしに来たんだっけ」



すると、修くんが折れて言った。
< 112 / 116 >

この作品をシェア

pagetop