先生、ボクを飼ってよ
「瑞貴……! あたし、頑張ってくる!」
風香ちゃんは立ち上がり、笑った。
それにボクも笑い返す。
そして、小走りに生徒会長の元に向かった。
「やっと静かになった。いちいちうるせえな、アイツ」
はは……
ノーコメントで。
「じゃあ、また明日な。誰だったか教えろよー」
「うん、わかった」
途中まで修くんと歩いていたけど、修くんは部活。
だから、ボク一人で音楽室に向かった。
階段を上る途中から、聴こえてきた綺麗なピアノの音色。
この前同様、聞き惚れる。
……今日は音楽室に入ろう。
そう心に誓い、ドアをノックする。
「……はい」
中から聞こえてきたのは、女の人の声。
そのせいか、ボクは余計に緊張した。
ゆっくりと中に入り、演奏者を確認する。