先生、ボクを飼ってよ
ボクは机の上に、ほかのテストを置く。
ほかの教科は六十点以上なんだよね……
「……お前、本当に国語が苦手なのな」
返す言葉もございません。
「椎名君、ちょっと」
すると、森野先生が出入口付近でボクを呼んだ。
確実に、補習についてだ。
ボクは席を立ち、廊下に出た。
「瑞貴ー、二人きりだからって変なことすんなよー?」
すると、修くんがそうからかってきた。
と思えば、すかさず風香ちゃんが修くんの頭を叩いた。
「勉強するの! 余計な口出すな!」
風香ちゃん……!
ボク、今日初めて風香ちゃんがそんな性格でよかったと思ったよ……!
「じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
ボクは風香ちゃんの笑顔に送り出され、森野先生のところに行った。