先生、ボクを飼ってよ
『頑張ってね』
教師なら生徒に何度も言ってきたであろうセリフ。
でも、今のボクからしてみれば、好きな人からの応援だ。
「よし、頑張ろう」
「視写で頑張ることなんて一つもねーぞ、瑞貴」
ボクの独り言に突っ込んだのは、修くん。
後ろで聞いてたみたい。
「うるさいなあ」
ボクは照れ隠しに、なれない言葉を使った。
だから、照れてることは確実にバレバレだった。
「お前……マジなんだ?」
すると、修くんは驚いたような、信じられないと言わんばかりの表情をしていた。
「なにが?」
「アイツを好きっての」
アイツって、森野先生のことだよね?
「うん」