先生、ボクを飼ってよ


隠す必要もないし、隠したくもなくて、ボクは真っ直ぐに、素直に答えた。



「わかってんのか? 相手は教師だぞ?」


「ちょっ……!」



ボクは慌てて修くんの口を塞いだ。



バカなの……!?



バレないようにしてくれてたんじゃないの?


それなのに、どうして相手は教師、だなんて普通のボリュームで言えるの?



修くん、なに考えてるの……



「悪ぃ悪ぃ。で、実際のとこどうなんだよ」



ボクの手を外しながら、修くんは謝ってくれた。


ちょっとだけ反省の色を見せてくれた……と、思っておく。



「わかってるよ……」



生徒と教師が、恋愛したらいけない、なんてことくらい。


ボクも高校生。


それくらい、わかってる。



でも……

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