先生、ボクを飼ってよ
「いい? 瑞貴。犬系男子のあんたが一人の女に惚れたら、その人一筋になるの」
それは偏見かと。
「もしそうでなくても、諦めなかったらそのうち相手にも自分のことを想ってほしいって、欲が出始める」
そういうもの……なのかな?
「あたしは、瑞貴に傷ついて欲しくないから言ってるんだよ? わかってる?」
「わかってる。心配してくれてありがとう、風香ちゃん」
ボクはちゃんと理解してる。
それなのに、風香ちゃんは呆れたようにまたため息をついた。
「これはわかってないね」
なぜ!?
「瑞貴、もう傷つく気しかないでしょ?」
「まさか」
「じゃあなんで諦められないなんて言うんだよ!」
風香ちゃんのイライラの我慢の限界が来たらしい。
しまった、と思ってももう遅い。
どうしようもない。