先生、ボクを飼ってよ


「落ち着け、風香。ここ廊下だぞ」



すると、修くんが間に入った。



周りを見て、下校途中の生徒の視線を集めていたことに気付いた。



「ごめん……頭冷やしてくる」


「風香ちゃん!」



ボクたちに背を向けて歩く風香ちゃんを追いかけようとしたら、修くんに腕を掴まれた。



「離し……」


「瑞貴が行ってどうする」



遮った修くんの言葉に、返す言葉がなかった。


たしかにここでボクが行ったら、逆効果だ。



「じゃあ……修くん行ってくれる?」


「なんで俺が」


「だって心配だもん……」



すると、修くんは少し黙って、思いっきりボクの髪をぐちゃぐちゃにした。



「お前らお互いに心配しすぎじゃねえか?」


「幼なじみだよ? 普通じゃない?」



幼なじみじゃなくても、大切な友達のことだったら心配になるし……


もちろん、修くんのことだって。

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