先生、ボクを飼ってよ
「はいはい、普通ですね」
ボクから手を離した修くんは、呆れたように言った。
……そんなに呆れることかな?
すると、修くんの手が伸びてきて、ボクの頭に置かれた。
「お前はそれ仕上げろよ」
「わかってる」
それから三十分くらいで終わらせて、ボクは職員室にいる森野先生のところに、提出に行った。
「先生、出来ました」
それを受け取った先生は顔をしかめ、頭を抱えた。
「……椎名君、やり方知らないのね?」
……嘘だ。
ボク、ちゃんとやったはず……
「それとも、編集手帳の見方を知らない?」
「そ、そんなに……?」
そこまで言われるなんて思ってなかったから、先生の質問に答えるわけじゃなく、逆に質問してしまった。
「原稿用紙の使い方は正しいわ。最初に段落が下げてあるから。でも、段落変えがない」