先生、ボクを飼ってよ


そして教室に着き、ボクは自分の席に座った。


先生は隣の、修くんの席。


今まで以上に近い距離に、動悸がうるさかった。



そしてやり方を教えてもらい、ボクは改めて課題を始める。



その間、先生はずっと隣で見てくれてた。



本当は集中して仕上げないといけないことはわかってたけど、どうしても先生と話したくて、ボクは手を動かしながら口を開いた。



「どうしても、読み取りが出来ないんです。心情とか」


「きっと考えすぎなのね。国語は文章中に答えがある。それを探せばいい」



先生はボクの私語に怒らず、答えてくれた。



でもやっぱり……



「難しいです」



探せないから、ニガテなんだよな……



すると、先生はんー、と上の方を見てなにかを考え始めた。



無意識なんだと思う。


こう、んーって言ってるのは。



そこがまた、普段の先生とは結びつかない。


そして、可愛いと思ってしまう自分がいた。
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