先生、ボクを飼ってよ



風香side



頭を冷やすために、あたしは階段を登り続け、屋上に出た。



夕焼けが優しく、あたしの荒れた心を包み込んでくれるけど、正直足らない。



あたしはフェンスに手を置き、その上に頭を置く。



……やっちゃった。



やらかした。



なんであんなこと言っちゃったかな、あたし。



バカなの?



……知ってた。



だって、昔からこうだし。



「お、いい眺め」



すると、後ろから声が聞こえてきた。



その声の主は、あたしの隣に立つ。



「……なんであんたが」



夕焼けに照らされているのは、修。



「瑞貴に頼まれたんだよ」



そう言って修はまっすぐに夕焼けを見た。



「……そっか」
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