先生、ボクを飼ってよ
「まさしく犬って感じ」
修の言葉に頷き、あたしは少しずつ整理された話をしてみることにした。
「あたしさ……瑞貴はずっと恋愛に興味ないって、勝手に決めつけてた」
「まあ、あれ見てればそうなるだろうな」
修の言葉で、涙がこみ上げてくる。
でも泣くなんてキャラじゃないし、修の前で泣きたくなくて、あたしは必死に堪えた。
「なんか……生き急いだや。こんな結果になったって、告白できない」
あたしはポケットに入れていた、中間試験の結果を取り出す。
「入ったのか? 五十位以内」
「三十九位だった」
その紙を修に渡す。
すると、修はあたしの頭を優しく撫でた。
「よく頑張ったな。お疲れ様」
こんなの……
泣くなってほうが無理な話。
「修……!」
あたしはそのあと、修の優しさに甘えた。