先生、ボクを飼ってよ
Episode.3
瑞貴side
あれから一ヶ月が経った。
風香ちゃんは次の日、なにごともなかったかのように話しかけてくれた。
でもなんか、風香ちゃんと修くんは前より仲が悪くなったような……
多分、気のせいだよね。
それで、ボクはまだ先生に気持ちを伝えられていなかった。
先生が好きだって気付いてから、先生と二人きりになりたいと思っても、なかなか時間が取れなかった。
先生も忙しいみたいで、ピアノも弾いてなかったし、ボクは先生に言われた通り、本を読んでたから……
そして、気付けばもう期末試験の時期。
「瑞貴、今回は頑張れよー」
国語のテスト直前、修くんがからかってきた。
「頑張るよ」
だって、先生と約束したから。
テスト期間に入って、ボクは先生に言った。
試験クリアしたら、ピアノを聞かせてほしいって。
そして先生はそれを、承諾してくれた。
先生のピアノを聴くため……先生と二人きりになるために、ボクは頑張るんだ。