先生、ボクを飼ってよ
そしてテストが終わって、今日はテスト返し。
「お疲れ様、椎名くん」
先生はそう言って、答案用紙を返してくれた。
結果はクリア。
「今日の放課後でいい?」
「はい」
周りには聞こえないよう、ボクたちは約束した。
まあ、騒がしくなってたから、誰も気付いてないと思うけど。
「どうだった?」
席に戻ると、風香ちゃんが振り向いて聞いてきた。
「大丈夫だったよ」
ボクは風香ちゃんに答案用紙を見せながら、席に着く。
「お、本当だ。すごいね、前回から五十点近く上げてる」
「実は出来るのに、出来ないふりしてたわけじゃないよな?」
隣から修くんが覗き込んでいた。
「瑞貴は本当に国語が苦手なんだよ、変なこと言わない」
風香ちゃんは修くんの頭を叩いた。