先生、ボクを飼ってよ
「痛えじゃねえか、暴力女」
「黙れ、非モテ男」
そして二人は睨み合いを始めた。
そのとき、ボクは修くんを呼ぶ、先生の声が耳に入った。
でも、本人は気付いてないし、二人の間に入る勇気が、ボクにはなかった。
「田辺修君、テストいらないのね」
すると、先生が磁石を手にして振り向いた。
……まさか。
「ちょ、待った! なにしてんだよ!」
修くんは慌てて先生の手から、答案用紙を奪う。
先生は、修くんの答案用紙を、黒板に貼ろうとしたのだ。
「だって、取りに来ないから」
そして先生は、ポカンとした。
教室は笑いに包まれる。
「繭先生、サイコー」
風香ちゃんは目に浮かんだ涙を拭いながら笑っていた。
「……変わったな、森野」