先生、ボクを飼ってよ


修くんの心配をしてたら、数人でグループを作っている女子生徒に、教室内から呼ばれた。



「相変わらず人気だねー、瑞貴は」



風香ちゃんはボクの背中を押した。



……相変わらず乱暴だね、風香ちゃんは。


と、心の中で言ったのは、本人には内緒ね。



「なんで瑞貴ばっかりモテるんだよー」



修くんはボクの頭に手を置き、ボクの頭を左右に振った。



すると、風香ちゃんは修くんの手を叩いた。



「瑞貴は素直で社交的だし、人懐っこいもん。そういうのって、わりと女子ウケいいの」



そしてついでなんだろうけど、ボクの頭をなでた。


意味がなくても、こういうのは嬉しい。



「お前が女子を語るのか」


「殺されたいなら素直にそう言えば?」



風香ちゃんが右拳を出したもんだから、ボクは慌てて止める。



「ったく……瑞貴に免じて許してやるけど……二度目はないからな?」



どうしよう、風香ちゃんの口が悪い。


って、今さらか。



風香ちゃんはボクの手首を掴んで教室に入った。



「瑞貴ちゃん、一年間よろしくね!」



そして瞬く間に人に囲まれちゃった。


ほとんどが女子なんだけどね。



でも、人と話せたり人といられるのは楽しくていいよね。
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