先生、ボクを飼ってよ


「よろしくっ!」



ボクは満面の笑みで答える。



「やっぱり目の保養だわあ」


「私には瑞貴ちゃんの後ろに尻尾が見える!」



これは……褒められてると思ってもいいのかな?



「もうすぐホームルームを始めるので、座ってください」



森野先生が教卓の前に立ち、そう言った。



「はーい」



みんなそれぞれの席に座っていく。


ボクの席は……



「瑞貴は私の後ろだよ」



迷っていたら、風香ちゃんが教えてくれた。



「隣は俺な」



ボクが席に着くと、修くんが左隣を埋めた。


出席番号順だったみたいで、風香ちゃんも修くんも近い。



森野先生のホームルームは本当に短くて、重要事項しか言わなかった。



「始業式があるので、体育館に移動してください」



先生はそれだけを言うと、教室から出ていった。



「あれのどこがいい先生だか」



修くんは文句を言いながら、移動をする。


ボクはその後ろをついて行く。



体育館に入れば、たちまち人に囲まれる。


他クラスの人や、先輩たちもいる。
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