先生、ボクを飼ってよ


優心の存在。



「ボクは繭先生の生徒です。今日は、無理を言って付き合ってもらってるんです」



無理して、笑ってる。



当然だ。


好きな相手の恋人の存在を知って、落ち込まない人がいるわけない。



……って、自意識過剰か。


瑞貴君が本当にそう感じたかなんて、わからない。



「じゃあ、まだ藤とは別れてないの?」



七海は驚いている。



「まだってなに。いいでしょ、私たちのことなんだから」



というか、早くこの話題を終わらせてほしい。


だから、ついキツい言い方をしてしまった。



「その藤って人、悪い人なんですか?」


「お、気になるかい? 少年」



お願いだから、話を広げないで……



「はい!」
< 69 / 116 >

この作品をシェア

pagetop