先生、ボクを飼ってよ
優心の存在。
「ボクは繭先生の生徒です。今日は、無理を言って付き合ってもらってるんです」
無理して、笑ってる。
当然だ。
好きな相手の恋人の存在を知って、落ち込まない人がいるわけない。
……って、自意識過剰か。
瑞貴君が本当にそう感じたかなんて、わからない。
「じゃあ、まだ藤とは別れてないの?」
七海は驚いている。
「まだってなに。いいでしょ、私たちのことなんだから」
というか、早くこの話題を終わらせてほしい。
だから、ついキツい言い方をしてしまった。
「その藤って人、悪い人なんですか?」
「お、気になるかい? 少年」
お願いだから、話を広げないで……
「はい!」