先生、ボクを飼ってよ


「私も藤に会いたいなあ」



七海まで私を見てくる。



ここに来る前、ごめんって、断って来たのに……



どうやって言えば……



「おっと? なにごとかな?」



タイミングよく、佐伯さんと田辺君が合流した。



助かった……


いや、違う。


佐伯さんは、一番に優心に会いたいと言った。



……タイミング、悪い。



「繭先生の恋人に会いたいなと思って、今呼んでもらうところなんだ」



それを聞いた瞬間、佐伯さんは焼きそばを落とした。



そして、思いっきり瑞貴君の右頬を平手打ちした。



その場にいたほとんどの人が、目を疑った。



それから佐伯さんは瑞貴君の胸ぐらを掴む。



「瑞貴、なに考えてんの?」
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