先生、ボクを飼ってよ


そのせいで、思わず怒鳴ってしまった。



「……悪かった。でも事実だ。頭には入れといたほうがいい」



そして田辺君は話が終わったらしい佐伯さんのもとに行った。



「繭先生、私たち先に帰るね!」



そう言った佐伯さんは、なんだかすっきりしたような顔をしていた。



「わかったわ」


「またね、修くん、風香ちゃん」



瑞貴君は笑顔で二人に手を振った。



二人もそれに応え、並んで帰っていった。



そして、二人になったけど……


なんとも言えない空気が流れる。



「繭先生、修くんとなに話してたの?」


「……大したことじゃないわ。気にしないで」



どうしてかはわからないけど、冷たく言ってしまう。



「でも、先生が大声を出すなんて……」



あれ、瑞貴君たちにも聞こえてたんだ……
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