先生、ボクを飼ってよ


ねえ、どうして?



なんて、言えない。


だから、話をそらす。



「自分の気持ちに嘘をつかなきゃいけないから」


「私、嘘なんか……」



また嘘を。



なんだろう。


ずっと繭先生にイライラしてる。



……こいうい態度が気に入らないのかな。



あたし、白黒はっきりしないのとか、嘘とか、嫌いだし。



回りくどいのも、嫌だ。



ストレートに、素直に。



今の先生は、あたしが嫌いなもの全てを持っている。


だから、イライラするんだ。



「じゃあ、気付かないフリ、してるんだね。どっちにしろ、素直じゃない」


「……佐伯さんには関係ないわ」



……そういうこと言うんだ。
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