さよなら、嘘つき君。
第1章
▼彼は人気者
――高校2年、春。
『こころ~~!』
桜の花びらが、春の暖かい風に吹かれて、空を舞い上がる。そんな中、少し高めの落ち着く声が背後からした。
「ゆきちゃん、おはよう」
『おはよう、今日から2年だね!クラス同じなことを祈ってる』
「本当だよ~、私人見知りだし、ゆきちゃんとクラス離れたりでもしたら、もう学校来ないかもしれない!」
『こころは、大げさだよ~』
ハハッと笑って、彼女の大きな目が少し垂れ目になった。