さよなら、嘘つき君。
◆◆◆◆◆◆
「はあ…」
少しため息が私の口から洩れる。
なぜかって??
ゆきちゃんと同じクラスなことは嬉しかったけど、席が遠いことがショックだったからである。
数分前に、ゆきちゃんには「大丈夫大丈夫、クラス同じなんだから」と慰められ、大人しく自分の席についた私。
それにしても、周りにも知ってる子はいなく、1年の時に同じクラスだった子も教室内には何人かいたが、実際近くの席には1人もいなかった。
『成瀬君の隣の席になれて、嬉しい!これからよろしくね!』
だいぶ落ち込んでいた私の耳に聞こえてきた女の子の嬉しそうな声。そっちに目を向けると、女の子はその彼を満面の笑みで見つめている。