さよなら、嘘つき君。
『俺も、嬉しい。初めましてだよね、リカちゃん』
『え、なんで名前知ってるの?!』
『可愛い名前だから』
そう、私の前の席には、あの成瀬玲がいたのだった。しかも、漫画で出てきそうなセリフを淡々と恥ずかしがることもなく、リカちゃんという子に言っている。
そんな彼は横顔もとても綺麗だった。
『こころちゃん、だよね?』
「……え?」
リカちゃんと楽しそうに話をしていた成瀬玲は、いつのまにか話を終えていて、私に顔を向けてきた。