さよなら、嘘つき君。
「成瀬君、無理してる?」
『え?』
「あ、ごめん」
私も言うつもりはなかったのに、初対面でこんなことを言ったら失礼すぎる。そう思って言わないと思ってたのに、口から自然と出てしまっていた。
私はすぐに謝った。
ふっと少し眉を下げて困ったように笑う成瀬君。
2人の間には少し変な空気が漂う。
――ガラッ
そんな空気を破るように、教室の扉があき、先生が入ってきたのだった。これには少し助けられたような気がして、安心してる自分がいた。