さよなら、嘘つき君。
そんな、なんとなくな理由で写真部に入ったのだった。
「あ、猫」
ふと窓の外を見てみると、白い猫が横切るのを目にした。
私は追いかけるようにして、うち履きのまま外へ出てしまう。白い猫はそんな私を気にかけながらも歩き続けた。
着いた先は中庭だった。
やっと止まったと思って、私はカメラを白い猫に向けた。
『にゃ』
猫はそう鳴いて、動こうとする。
「あっ、待って!――うわっ!!」
――バサバサッ