さよなら、嘘つき君。



そんな、なんとなくな理由で写真部に入ったのだった。



「あ、猫」


ふと窓の外を見てみると、白い猫が横切るのを目にした。

私は追いかけるようにして、うち履きのまま外へ出てしまう。白い猫はそんな私を気にかけながらも歩き続けた。

着いた先は中庭だった。

やっと止まったと思って、私はカメラを白い猫に向けた。


『にゃ』


猫はそう鳴いて、動こうとする。


「あっ、待って!――うわっ!!」


――バサバサッ



< 19 / 78 >

この作品をシェア

pagetop