さよなら、嘘つき君。
私は、桜庭こころ(さくらば こころ)。今日から高校2年生だ。
そして、隣で気分よく鼻歌を歌いながら歩いているのは、私の友達の、椎名由紀(しいな ゆき)ちゃん。ゆきちゃんとは、高校に入ってから仲良くなった。
彼女のスラッとした少し高めの身長に、可愛いというより綺麗で整った顔立ちは、ひときわ目立って、周りの視線を集める。
『あ、クラス表貼ってある!』
校門をくぐり抜け、昇降口へと小走りになるゆきちゃん。私はそんなゆきちゃんに腕を引っ張られ、一緒に昇降口へと向かう。
――同じクラスでありますように!
私は祈りながら、自分の名前を見つけようとクラス表に目を向ける。