さよなら、嘘つき君。



せっかくのシャッターチャンスを逃してしまうと思って、猫を捕まえようとしたら、小さい垣根に突っ込んでしまった私。


「いてて……」

『大丈夫?』


――ん?


垣根から抜け出そうとする私の頭上から、男の子の声がした。


「?!な、成瀬君?!」


やっと抜けた頭を上にあげ、声の先を見ると、そこにいたのは同じクラスの成瀬玲君だった。




< 20 / 78 >

この作品をシェア

pagetop