さよなら、嘘つき君。
『俺の写真、永久保存だね。絶対に消さないで』
”絶対に消さないで”
とても真剣な顔で私に言ってきた。まっすぐなまなざしが私を見つめる。優しくみんなに笑いかけるあの笑顔とは、印象が違く、少しおびえてしまった。
『冗談だよ、気にしないで。じゃ、俺は帰るね。また明日』
「……うん」
ポンと頭に手を置いて、ふっと微笑みかけて、私から離れていく成瀬君。
成瀬君の本当の笑顔が見れて、嬉しかったのに、また私が悲しい顔をさせてしまったのかと思うと、胸がちくっとした。