さよなら、嘘つき君。
いつものことだから、今日も平気と思っていたのに、今日はダメだったらしい。
――ドンッ
「あっ、ごめんなさい」
揺れに耐えれなかった私は、軸足が動き、隣の人に強くぶつかってしまった。私は相手にすぐさま謝った。
『いえ、大丈夫で…あ、こころちゃん』
「な、成瀬君」
ぶつかった相手は成瀬君だった。昨日の今日で、成瀬君にはよく会うらしい。私的には、少し気まずいと思っていた矢先だったので、表情に困った。