さよなら、嘘つき君。
『あんな大きな声で呼ばれたら、気づくよ。でも、少し意地悪しちゃった。こころちゃん、俺の嫌なとこ突くから』
「あ、ごめん。成瀬君、私のこと、嫌いなの?」
『え?なんで?』
直球な私の質問に、キョトンとした顔で彼は言う。それに困った私は黙ってしまう。
――!!
次の瞬間、グイッと顎を持ち上げられ、成瀬君の綺麗な顔が私の顔のすぐ近くに来た。
『ねえ、こころちゃんさ、俺のこと好きでしょ?』