さよなら、嘘つき君。
『俺はこころちゃんが好きだよ』
――ああ、そっか。成瀬君はこう言うと、私が喜ぶと思ってるんだ。
「嘘、つかないでよ。辛い顔するなら、嘘つかないで。私は成瀬君のこと好きじゃないし、成瀬君も私のこと好きじゃない。むしろ、私が嫌いでしょ?」
自分が思っているよりも、落ち着いて言葉が出てくる。
『…俺は、こころちゃんのこと嫌いじゃないよ。少し怖い、かな』
成瀬君は、私は一歩後ろに下がった。
周りにはもう生徒たちはいなく、私たち2人だけがホームに残される。