さよなら、嘘つき君。
私ばかり彼のことを想ってたなんてバカみたい。私は自分が思ってたよりも、彼のことが好きだったらしく、泣くことを抑えようとしても、なかなか涙は止まらなかった。あふれ出てくる涙はずっと、授業が始まった時間になっても止まることはなかった。
その日の放課後、朝比奈君は昇降口で私を待ってたようだ。
『こころ、遅いっての』
朝比奈君は私を見つけると、何事もなかったかのように、あの無邪気な笑顔で寄ってきた。
「――――嘘つき」
私はその一言だけ彼に吐いて、その場を立ち去った。「こころ」と大きな声で呼ばれたが、振り向くことなどしなかった。
その次の日も、ずっと私は彼を無視し続けた。そのうち、彼の方も私を見ても何も言わなくなった。もうこれでいいんだ。私の初恋はこれで終わり。私の勘違いと思い上がりで、終わった。そう思って中学校の卒業式まで彼と話すことはなかった。