さよなら、嘘つき君。



「い、いや、別に仲良くってわけじゃ……」


また中学時代のことがフラッシュバックしそうになった。


――こわい


たった少し責められただけなのに、ここが女子トイレだからか、女の子たちに囲まれてるだからだろうか……。心臓がドキドキし始めた。


『こころちゃーーん。いたら、返事して~』


そんなとき、廊下の方から声がした。こんな人のいないトイレの近くになぜこの人の声がするんだろうか。


『ねえ、この声……』


女の子たちも慌て始めた。そして、すぐトイレから出ていった。



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