さよなら、嘘つき君。

▼私のいないところで




しばらくしたあと、「一人で戻れる?」と聞いてきた成瀬君にコクリと頷く私。「じゃあ、先に教室行ってて」と言われたので、私は成瀬君を置いて、教室へと戻る。


――ガラッ


『あ!こころ!大丈夫だった!?ちょっとって言ったのに、全然戻ってこないから心配したんだよ?!何かされたんでしょ??』

「ゆきちゃん、、、ううん、何もされてない。大丈夫」


教室の扉を開けるとすぐに、ゆきちゃんが私に向かって飛び込むように走ってきた。


私は心配かけたくなくて、詳しく話そうとしなかった。



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