さよなら、嘘つき君。
▼君のいないところで -玲side―
――『無理してる?』『その笑顔、嘘だよね?』
彼女、桜庭こころの言葉は、俺のことをお構いなしに、俺の心をぐさぐさとさしてくるようだった。
そんなこころちゃんとは、2年になる新学期に初めて会ったはずなのに、なぜ彼女は俺が作り笑いをしていることをすぐに見抜いたのだろうか…。
俺は、ずっと女の子には優しく、ずっと笑顔を向けて過ごしてきた。そのおかげで、女の子からはモテた。もちろん男子の反感を買うこともあったが、別にそれはどうでもよかった。反感を買われても、ただ陰で言われるだけ。直接的に何かされるわけではなかったから。