さよなら、嘘つき君。



――そして着いた先は人気のない廊下。


『-----!』


女子トイレから声がした。リカちゃんじゃない声だったけど、それがこころちゃんに向けられてるってことがわかった。


「こころちゃーーん。いたら、返事して~」


俺は彼女たちに声が聞こえるように、わざと声を大きくして名前を呼んだ。その声は廊下中に響いた。


そして、そのあとすぐに、パタパタと廊下を走る音が聞こえる。


その音が静まった後、静かな足音が女子トイレから出てくるのが分かった。



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