さよなら、嘘つき君。
「あ、いた。こころちゃん発見」
『…成瀬君』
こころちゃんの顔色は悪かった。
「こころちゃんがリカちゃんにちょうど連れていかれるところ見たから、何かな~と思ってついてきちゃった。大丈夫だった?」
――これも嘘。
今はまるで、なんとなくついてきました感を出してるけど、本当はこころちゃんの友達のゆきちゃんに、必死な感じにこころちゃんのこと聞いた。こんなこと、かっこ悪くて、こころちゃんに言えるわけがない。
こころちゃんは、俺の言葉に反応せずに、今にも泣きそうな顔で俺を見つめてきた。